このページでは量子化学計算を行うにあたり、必要な基底関数(原子軌道とイメージしてください)の運動エネルギー積分を計算する詳細について解説します。
(s|-1/2∇2|s)について
まずはs軌道同士の運動量積分を計算します。位置
運動積分ではガウス関数を二階微分してもガウス関数の形(に係数をかけたもの)になることを利用します。


この関係を利用してs軌道同士の運動エネルギー積分を行ってみましょう。

ここで、
結局、

(p|-1/2∇2|s)について
同様にp軌道とs軌道の運動エネルギー積分
次に、
さらに、
最終的に計算結果は↓のようになります。


↑の計算式で(省略)としているのは
(p|-1/2∇2|p)について
ただし、展開する項数がやはり多くなるので、プラスマイナスを含めてひとつひとつ丁寧に計算しないと間違えます。

私は計算に4時間かかりました。
皆さんも時間があればチャレンジしてみてください。特に、理論系研究を志す方は計算を実際にしてみてください。
答えはこちら

まとめ
このページでは量子化学計算の基本となる運動エネルギー積分の計算を行いました。
一方で、計算の過程は面倒でしたが、最終的な結論はすっきりとしており、プログラミングすることも簡単であることを知ってもらえたかと思います。これも原子軌道としてGauss関数を選ぶこともメリットです。