【放置厳禁】スチームトラップ故障で起きる5大損失と見分け方

スチームトラップ

工場では熱交換器などでスチームを利用しますが、スチーム配管には「スチームトラップ」が欠かせません。スチームトラップとは、工場でたまに「ぶおー」って湯気と熱湯を吐き出しているやつです。

そんな、スチームトラップは小さな部品ですが、もし壊れると蒸気の大量損失やウォーターハンマーなどの重大なトラブルにつながります。

このページでは、スチームトラップが壊れた時に起こる5つの損失をわかりやすく解説します。

目次

スチームトラップの役割|蒸気を逃さずドレンを排出する仕組み

スチームトラップは、蒸気はできるだけ外へ逃がさず、しかし、ドレン(蒸気の凝縮水)は外へ自動的に排出するための機器です。

私も、はじめて工場に入ったときは急に「ぶおー」とスチームトラップの音がして驚いたものです

スチームトラップ

蒸気配管にドレンが残ると、必要な温度や処理能力を得にくくなります。また、蒸気流にドレンが巻き込まれると、ウォーターハンマーが起き、配管・継手・バルブを傷めるおそれがあります。

つまり、スチームトラップは省エネ、安定生産、安全、設備保全を同時に支える重要な自動弁です。

スチームトラップの動作は下の動画(株式会社ベン)が分かりやすいです

【放置厳禁】スチームトラップ故障で起きる5大損失

蒸気漏れによるエネルギーロス

トラップが開いたままになる吹き抜けや蒸気漏れでは、蒸気がドレン回収配管または大気側へ連続して流出します。蒸気を作るには燃料コストがかかるため、漏れはそのままユーティリティ費の増加につながります。さらには、CO2排出量の増加要因にもなります。

スチームトラップ

漏れ量は圧力、オリフィス径、運転時間で大きく変わるため、音だけで軽微と決め付けず、チェッカーや流量換算を用いて損失を見積もることが有効です。

ドレン滞留による熱交換器の能力低下

スチームトラップが故障して、ドレンを排出できなくなると、熱交換器や加熱コイルの内部に水がたまります。蒸気が本来接触するべき伝熱面をドレンが覆うため、蒸気の凝縮熱を十分に利用できず、出口温度が上がらないといったトラブルが発生します。

食品の加熱では、温度不足が品質・衛生に直結します。

熱交換器のイラスト

制御弁をさらに開けて補おうとしても、根本原因がドレン滞留なら蒸気使用量だけが増えるため、スチームトラップの交換を優先すべきです。

ウォーターハンマーによるバルブ類の破損リスク

ウォーターハンマーは、配管内にたまったドレンが蒸気流で急加速したり、蒸気が急激に凝縮したりして、大きな衝撃圧が発生する現象です。

配管から金属をたたくような大きな音(カンカンカンカンといった高い音)が出る場合は、ドレン滞留を疑う必要があります。

ウォーターハンマー

放置すると、フランジや継手からの漏れ、バルブ破損、熱交換器チューブ損傷、配管支持部の損壊につながるおそれがあります。高温の蒸気・復水が噴出すれば重大な労働災害にもなり得るため、異音を単なる運転音として扱わず、速やかに安全を確保して原因を調査してください。

腐食・スケールの進行による配管の劣化

ドレンが長時間滞留する箇所では、溶存酸素などの影響を受け、配管・機器の腐食が進みやすくなります。また、給水由来のスケール、配管工事時の溶接くず、錆などがトラップ内部やストレーナーに堆積すると、弁座の密閉不良や閉塞を繰り返します。

腐食やスケールは徐々に進行するため、突発故障が起きるまで見逃されがちです。しかし一度、熱交換器のチューブ交換や配管更新が必要になると、部品費だけでなく停止期間と復旧工事の負担が大きくなります。

蒸気を排出できない・抜け続けるトラブルによる生産性低下

閉塞によるドレン排出不良と、吹き抜けによる蒸気流出は一見正反対ですが、どちらも生産性を低下させます。閉塞では加熱不足によって立ち上げ時間が長くなり、目標温度に達しない、乾燥不足になる、処理条件が安定しないといった不具合が起こります。吹き抜けでは蒸気供給能力が無駄に消費され、他設備の圧力不足やボイラー負荷増大を招くことがあります。

品質不良品の廃棄、納期遅延、緊急保全まで考慮すると、トラップ一台の不良が持つ事業上の影響は小さくありません。

まとめ

スチームトラップは小さな部品ですが、もし壊れると蒸気の大量損失やウォーターハンマーなどの重大なトラブルにつながります。

はじめて工場にはいったときは急に「ぶおー」と音がしてびっくりしたものです。そんなスチームトラップがあって初めて工場でスチームを使えます。

もしスチームトラップが壊れていたら、すぐに交換するようにしましょう。

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