コンプレッサーには往復式や回転式など様々な種類がありますが、工場で最も利用されているのは、高圧を得やすい、価格が安いといったメリットがある「往復式コンプレッサー」です。
ポイントとなる部品はピストン・吸入弁・吐出弁の3つです。この3つによって、往復式コンプレッサーは高圧を生み出しています。例えば、水素ステーションでは90MPaといった超高圧にまで圧力を上げることもあります。
このページでは、往復式コンプレッサーの動きやポイントとなる部品についてgif動画を交えてわかりやすく解説します。
コンプレッサーが動く仕組みをわかりやすく解説
ピストンが上下に動いて圧力が上がる
コンプレッサー(特にピストン式・往復式)で最も重要な部品は、ピストン、吸入弁、吐出弁の3つです。
ピストンがコンプレッサー内部(シリンダー)で上下に動き、吸入弁・吐出弁が気体の流れをコントロールすることで気体(空気やLPガス、プラントのプロセスガスなど)を効率よく圧縮できるというわけです。

これ以降は気体は空気とします


それでは、コンプレッサーの動作を確認しましょう!
コンプレッサーは次の3ステップで圧力を上げます。

コンプレッサーはこの一連の動作を繰り返すことで、空気を連続的に圧縮できるんだね
超重要なのですが、吸入弁・吐出弁からは空気が逆流しないようになっていて、作動圧(弁が開く圧力)も決まっています。そのため、①ピストンで圧縮しているときは吸入弁から空気は逆流しません。また、②ピストンが中途半端な位置で空気がシリンダー内に入ったり、出て行ったりすることもありません。

- 吸入弁:逆止弁を介して空気を取り込む部分です。
- ピストン:空気を圧縮し、圧力を上げます。
- 吐出弁:逆止弁を介して圧縮空気をタンク・配管・使用機器へ送ります。
往復式圧縮機の特徴
圧縮機には、容積形と速度形の2種類があります。容積形はシリンダなどに吸入された空気をピストンや特殊な形状の回転体により圧縮させて空気の圧力を上昇させます。容積圧縮機のなかでも往復式圧縮機は、シリンダ内のピストンの往復運動によって、空気をシリンダーに吸い込み、圧縮して吐き出すもので圧縮機の中では最も古い歴史をもちます。
速度形圧縮機とは
一方の速度形は、回転する羽根車が空気に速度と圧力を与えて、さらに羽根車を出た後にディフユーザで減速して速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して空気の圧力を高めます。
往復式圧縮機のメリットは①高圧が得られる②安い③用途が幅広いなどがあるため、家庭用からプラントまで幅広く利用されています。
| メリット | デメリット |
| 高圧が得られる:多段圧縮を行うことで、容易に高圧の空気を作り出せます。 製造コストが低い:構造が単純で部品数が少なく、安価に製造できます。 用途が幅広い:小・中規模の空気圧縮から、プラント規模まで対応できます。 | 振動と騒音:ピストンの往復運動により振動や騒音が大きくなりやすいです。 メンテナンスが必要:摺動部や弁があるため、部品交換の頻度が比較的高いです。 脈動の発生:間欠的な圧縮のため、ガスの流れに脈動が生じます。 |
| 家庭用 | ![]() |
| 中小規模 | ![]() |
| プラント規模 | ![]() |
コンプレッサーの部品
ピストン
ビストンは高温高圧の環境にさらされ、かつ繰返しの往復運動が必要です。圧縮で発生した熱をピストンを介して外に捨てること、往復運動の慣性力(不釣り合い力)による振動・騒が発生するので、できるだけ軽量化することによって慣性力を軽減して振動を抑える必要があります。
つまり、ピストンの材質には次の性質が求められます。
- 熱伝導性が良いこと(熱を逃がすため)
- 密度が小さいこと(振動・騒音対策)
- 熱膨張性が小さいこと(高温による影響を減らすため)
- 高温で強度が低下しないこと(高温による影響を減らすため)
- 加工性がよいこと(製造効率の向上のため)
これらの性能を考慮した結果、往復式コンプレッサーではピストンにはアルミ合金鋳物がよく使用されています。
吸入弁・吐出弁
コンプレッサーは吸入弁から空気を吸入し、シリンダ内で圧縮した後、吐出弁を介して吐出します。吸入弁・吐出弁は吸入・吐出が完了したら直ちに閉めて気密を保つような自動弁でもあります。

この自動弁の動きはスプリング(ばね)によって達成されています。
吸入弁・吐出弁の性能を向上させるためには、空気通過面積を広くとって空気抵抗を少なくさせることは有効ですが、空気の通貨面積を大きくしすぎると、空気の流れにより弁に大きな衝撃力で衝突するので、弁の寿命が短くなるので、バランスを上手くとる必要があります。
シリンダ
シリンダ部分では高圧・高温に耐えることはもちろん、コンプレッサー全体を冷却させるための役割が重要になってきます。
高温の空気に接するシリンダ壁の温度は上昇します。このとき、温度の上昇が均一でないと熱膨張が偏ることでシリンダの真円度が低下します。その結果、シリンダとピストンリング間の摩擦力が増加し、最悪の場合にはシリンダとビストンリングが焼きついたりするおそれがあります。
そのため、シリンダの外側に冷却フィンを設置したり、シリンダにジャケットを設けて冷却水を送るなどの工夫がなされています。


処理量の多いものは水冷式が選ばれます
まとめ
このページでは、往復式コンプレッサーの動きやポイントとなる部品についてgif動画を交えて解説しました。
コンプレッサーには往復式や回転式など様々な種類がありますが、化学工場で最も利用されているのは、高圧を得やすい、価格が安いなどのメリットがある「往復式コンプレッサー」です。
コンプレッサーはポンプに比べてプラントでも数が少ないため、苦手なイメージを持っている方も多いですが、ピストン、吸入弁・吐出弁の役割が分かると実は簡単です。皆さんも一度周りのコンプレッサーを見てみてください。








