高圧ガスの一般則とは?初心者でもわかる全体像と適用範囲

高圧ガス保安法

高圧ガス保安法を聞いたことがある人は多いかと思いますが、一般則という言葉になじみが薄いかたは多いのではないでしょうか?

普通に働いていると、高圧ガス保安法であったり、一般則、コンビ則、あるいは、KHKSなどの役割や立ち位置を知らないまま過ごしてしまいがちです。

このページでは、高圧ガスの一般則とは何か?だけでなく、その役割やほかの規則との違いまでご紹介します。

目次

高圧ガス一般則とは何か?

高圧ガス保安法との関係

高圧ガスの一般則は、「高圧ガス保安法の下に位置する具体的なルール」として位置付けられています。

「法律の下」といっても一般則を破ると法令違反になります

保安法が安全確保の大枠を定めるのに対し、一般則は製造・貯蔵・移動・消費など各場面における技術基準や設備要件などを詳細に規定しています。

つまり、事業者は一般則に従って日常業務を行うことで、高圧ガス保安法が求める安全水準を実務で確保する仕組みとなっています。

一般則が定められている目的

先ほどご紹介した通り、一般則が定められている理由は、高圧ガス保安法の目的である災害防止と公共の安全確保を、現場で具体的に実現するためです。

一般的に法令集は「法」⇒「規則」⇒「告示」⇒「通達」の順に収録されており、規制内容としてもこの順により具体的な内容に落とし込まれるようになっています。この中で高圧ガス保安法は「法」、一般則は「規則」、KHKSは「告示」にあたります。

KHKSは定期自主検査の方法などを決めているものだよね

ちなみに、KHKSの「S」はStandardのSです

現場でよく耳にする言葉として「技術上の基準」があります。これは一般則で定められている、設備の構造・材料、保安距離などの基準のことです。

一般則により事業者ごとのばらつきを防ぎ、最低限の安全水準を確保できるんだね

やはり、一般則は法律の考え方を実務に落とし込み、安全を確実に担保するための具体的なルールとして機能しています。

「高圧ガス」の定義

高圧ガス保安法の一般則で対象となる「高圧ガス」を簡単に復習しましょう。簡単に、とするのは、高圧ガスの定義は実はかなり複雑なので、説明しだすとそれだけで一つの記事になってしまうためです。

ほかのページで高圧ガスの定義を詳しく解説しているので、是非見てみてください

さて、ざっくり言うと、「1MPa以上に圧縮されたガス」または「0.2MPa以上の液化したガス」が高圧ガスに該当します。例えば、病院で使われる酸素ボンベが圧縮ガスに該当し、レストランに置いてある炭酸ガスボンベが液化ガスに該当します。

一般則はこれらの高圧ガスの安全を維持するための基準になっています。

医療用酸素
医療用酸素も高圧ガスです

レストランの炭酸ボンベはビールサーバーとかに使われるね

適用範囲をやさしく理解しよう

どこまでが「適用される範囲」なのか

自分の目の前にある高圧ガスが「一般則」の適用を受けるのか、あるいはほかの規則(液石則など)の受けるのかはどのように分かれるのでしょうか?

答えを言うと、「液石則」、「コンビ則」、「冷凍則」に該当しないもの、が「一般則」の適用を受ける高圧ガスになります。

そのため、「液石則」、「コンビ則」、「冷凍則」を知れば「一般則」の適用先が分かります

一般則とは

一般則の適用先を示したものが上の図です。冷凍機などの冷媒(フロンやプロパンなど)がまず「冷凍則」の適用を受けます。次に、冷凍機以外でコンビナート地区にある高圧ガスが「コンビ則」の適用を受けます。さらに冷凍則・コンビ則以外の液石ガス(C3、C4物質)が「液石則」の適用を受けます。

コンビ則の適用先は住所によって法令で決められています(2条関係の別表)

そして、最後に残ったそのほかの高圧ガスが「一般則」の適用を受けます。つまり、自分が持っている高圧ガスが「液石則」、「コンビ則」、「冷凍則」の適用を受けないことを確認することが最も重要なのです。

他の規則(液石則・冷凍則)との違い

最後に、一般則とその他の規則との違いについて、大まかにご紹介します。

一般則は文字通り「一般的な」高圧ガスの規制を行います。一方、液石則やコンビ則、冷凍則はそれぞれにある程度特化した事業者に対する規制を行うため、技術上の基準もある程度特化しています。

例えば、一般則には無く、液石則にある特徴的な基準としては、埋設貯槽に関する技術上の基準があります。

埋設貯槽の基準液石則第6条
保安距離3号
密集地域での埋設義務4号
地面からの距離5号
腐食対策6号

逆に、アセチレンであったり、三フッ化窒素などの毒性ガスの規制は一般則にはありますが、液石則にはありません。

液石則はC3、C4を対象とするからアセチレンや毒性ガスの記載はないんだね

まとめ

このページでは、高圧ガスの一般則とは何か?だけでなく、その役割やほかの規則との違いまでご紹介しました。

安全確保の大枠を定める高圧ガス法に則って、一般則は製造・貯蔵・移動・消費など各場面における技術基準や設備要件などを具体的に規定しています。

技術上の基準は一般則や液石則、冷凍則など規則ごとに異なっていますので、自分の扱う高圧ガスに応じた規則を間違いなく選びましょう。

目次