【ゴキジェットの科学】エアゾールは危ない?|仕組み・安全な使い方

ゴキジェットを使う

みなさんは殺虫剤や制汗剤といったスプレーを使った経験があるでしょうか?これらのスプレーは「エアゾール」と呼ばれるもので、ガスを使って中身を勢いよく出すことができるシロモノです。

エアゾールは便利なものですが、ガスが中に入っているため、間違った使い方をすると火事ややけどする恐れがあります。

このページでは、エアゾールの説明と安全な取り扱い方について説明します。

エアゾールとは

先に言っておきますが、全ての人は「エアゾール」を使っています。残念ながら、「エアゾール」という言葉は知っている人はほぼいませんが。

例えば、ゴキジェットや制汗剤は「エアゾール」です

「エアゾール」とは、噴射剤と内容物を容器に封入し、噴射剤の圧力で内容物を「簡単に」「無駄なく」「衛生的に」吹き出す製品のことです。スプレー缶とも呼ばれています。

エアゾールが1つも売られてないホームセンターは無いだろうね

エアゾール

殺虫剤や制汗剤はエアゾールなので、エアゾールはみんな使ったことがあるでしょう。(使ったことが無い人はすごい)

エアゾールの良いところはいろいろと思いつくかと思います。下が一例です。

エアゾールのメリット
  • 手を汚さずに内容物を取り出せる
  • 狙ったところに内容物を噴出できる
  • 無駄なく、必要な分だけ内容物を取り出せる
  • ボタンを押すだけで簡単に内容物を噴出できる
  • 長期間内容物を保管できる

特に、手を汚さずに内容物を取り出せるのは大きなメリットだね

このように、エアゾールはぱっと思いつくだけでもたくさんのメリットがあります。まとめると、エアゾールは缶内の圧力によって、内容物を「簡単に」「無駄なく」「衛生的に」取り出せるという素晴らしいシロモノなのです。

エアゾールのしくみ

ボタンを押すと噴射する理由

スプレー缶の最大の特徴は「ボタンを押すと噴出する」です。このため、スプレー缶には液化ガス(LPGなど)や圧縮ガス(窒素など)が噴射剤として封入されています。

エアゾール缶の構造

エアゾール缶がボタンを押すだけで中身を噴射できるのは、噴射剤(LPGなど)によって容器内が高い圧力に保たれているためです。通常時はバルブが閉じているため、内容物が漏れ出ることはありませんが、ボタンを押すとバルブが開き内容物が外に噴出します。

スプレー缶でよく使われる噴射剤

噴射剤としてよく使われるLPGやDME(ジメチルエーテル)は価格が高く、引火性が強いというデメリットがありますが、化学的に安定で、内圧を維持しやすい(液化ガスのため)というメリットがあります。

また、LPGとDMEは蒸気圧が異なるので、適当に混ぜ合わせることで、スプレーが噴き出す勢いを調節することも可能です。

大分類噴射剤メリットデメリット
液化ガスLPG、DME内圧を維持しやすい可燃性である
圧縮ガス窒素、炭酸ガス安全性が高い圧力が下がりやすい
LPガスのローリー

一方、圧縮ガス方式では、高圧の窒素などを容器に封入することで内容物を押し出す仕組みです。液化ガス方式とは異なり、使用するにつれて容器内の圧力が下がるため、使い終わりに近づくほど噴射力は弱くなります。一方で、可燃性ガスでないので、火災のリスクを抑えられます。

作られ方

エアゾールは「原液の充てん」⇒「バルブ取付」⇒「噴射剤の充てん」⇒「製品検査」と進みますが、製品の安全上重要になるのが検査項目である「密封性」です。

LPGやDMEといった可燃性ガスを噴射剤とすると、もし缶が密封できていないと可燃性ガスが漏れ出てしまい、火災に発展する恐れもあります。そのため、エアゾールは製造の過程で缶の密閉性検査が一本一本ずつ(つまり全数で)義務付けられています。(高圧ガス保安法で)

エアゾール工場

密封性の検査方法としては、「53~57℃の温浴に150秒(300cc以下の缶は110秒)以上つけて気泡が出ないこと」と詳細に決められています。

1本1本から泡が出ていないか目視やカメラ等で監視しなければ法令違反です(早いと300本/分でスプレー缶は生産されるので大変)

エアゾールの危険性と捨て方

可燃性ガスによる火気・高温の危険

エアゾールで最もよく使われる噴射剤はLPG(プロパンが主)です。LPGはもちろん可燃性ガスです。エアゾールを噴射先にコンロ、ストーブ、たばこなどがあると、火災につながるおそれがあります。特に浴室、車内、狭い室内、換気扇を回していない場所では、成分がこもりやすいため注意が必要です。

エアゾール缶

また、エアゾール缶を直射日光の当たる場所、夏場の車内、暖房器具の近くに置くと、内圧が上昇して破裂する危険があります。なぜなら、液化ガスの蒸気圧は指数関数的に上がるからです。

「火気と高温を避ける」は、エアゾールで必ず守るべき重要なルールです。

捨てる前に中身を使い切るべき理由と安全なガス抜き

エアゾール缶は、製品本来の用途で最後まで使い切ってから捨てるのが基本です。ガスが残った缶を排出すると、ごみ収集車で圧縮された時にガスが漏れ、火災を起こす危険があります。

ガス抜きは火気のない風通しのよい屋外を選び、屋内や火気の近くでガス抜きをすることは避けましょう。

製品にガス抜きキャップや残ガス排出機構が付いている場合も、必ず説明どおりに使用してください。

まとめ

このページでは、エアゾールの説明と安全な取り扱い方について説明しました。

エアゾールはLPGや窒素といったガスを使って、中身を効率よく噴射しています。しかし、ガスを使っているが故に間違った取り扱い方はしてはなりません。

あと、ホームセンターにいったらエアゾール製品の多さに一度驚いてみてください。