フロート式液面計とは?仕組み・構造・メリットを初心者向けに整理

液面計

化学工場には水から危険物に至るまで、少なくとも私の知っているタンクにはすべて液面計がついています。タンクが空なのか、満タンなのかが分からないと危なくて使えたものではありません。

液面計には超音波式や差圧式など様々なタイプがありますが、最も簡単な仕組みで動くのはフロート式液面計です。超大型の球形タンクなどにはフロート式よりも超音波式や差圧式のほうが適していますが、中小型の枕タンク・縦型タンクではフロート式の方が適している場合が多いです。

このページでは、フロート式液面計の仕組み、種類、メリットなどについて初心者の方や、設備担当者として基本を整理したい方に向けて解説します。

目次

フロート式液面計とは?基本の仕組みを初心者向けに整理

フロート式液面計の基本

まずは、「フロート式液面計」の特徴をざっくりと理解しましょう!

フロート式液面計とは、液体の表面に浮かぶ浮き(フロート)の動きを利用して、タンク内の液面レベルを測る機器です。タンクレベルが上がればフロートも上がり、下がればフロートも下がるという単純な原理を使うため、仕組みが理解しやすく、古くから多くの設備で採用されてきました。

液面計

液面計にはフロート式以外にも、超音波式、圧力式などさまざまな方式があります。その中で、フロート式のメリットは、構造がシンプルで保守しやすい、泡や蒸気の影響を受けないなどのメリットがあります。

方式強み注意点
フロート式構造がわかりやすく実績が多い比重・粘度・付着物の影響を受ける
超音波式非接触で測定できる泡や蒸気、反射条件に注意
圧力式水位測定で使いやすい密度変化の影響を受ける

フロート式液面計の種類と用途

フロート式液面計と一口にいっても、実際には用途に応じて複数のタイプがあります。大型タンク向けのワイヤー式、ポイント検知に強いフロート式レベルスイッチ、磁気を利用した連続表示型など、目的によって選ぶべき方式は異なります。

ここでは化学工場で最もよく見るフロート式液面計について、それぞれが向いている用途を整理してわかりやすく紹介します。

大型の貯槽に用いられるもの

数10m3程度の枕タンク(横型貯槽)などでは、マグネット式のフロート液面計はよく利用されます。例えば、大同工機株式会社のHPには下のようなマグネット式液面計の写真があります。

マグネット式液面計

タンクの液面が上がると、液面計内部のフロート(磁石になっている)が上昇して、外部にある指示器を磁力により回転させることで液面の高さを表示します。

フロート式液面計
フロート式液面計の仕組み

マグネット式フロート液面計は指示器自体を着色できるので、ガラス管式(直視式)のものよりもかなり視認性が高いです。

初めてマグネット式液面計を見たときはその見やすさに感動しました

小型の貯槽に用いられるもの

大型の貯槽以外にも、数10L程度の縦型タンクなどにもマグネット式のフロート液面計はよく利用されます。例えば、山本電機工業株式会社のHPには下のような液面計が紹介されています。

フロート式液面計

大型に用いられるものとは異なり、タンクの上部のフランジ部分に設置するので、省スペースで取り付けられます。また、高精度の測定が可能であったり、食品や医薬品などのサニタリープロセスに配慮したものが流通しています。

LPガス(バルク貯槽)に用いられるもの

上の2つ(大型貯槽と小型貯槽)は工場にしかなく、身の回りではまず見かけません。では、身の回りにフロート式液面計は無いかというと、実は探せばあります。

アパートや小学校などにはバルク貯槽といって、LPの液化ガスが入れられているものがあり、そこにはフロート式液面計が使われています。下の写真は武州産業株式会社のHPに掲載されているバルク貯槽の外観図です。

バルク貯槽

小学校にLPガスのバルク貯槽が使われるのは災害対策を兼ねています

バルク貯槽の液面計では、液化したプロパンに対して浮くフロートがついており、その浮き沈み度合いを使って液面のレベルを測定しています。

バルク液面計
バルク貯槽の中ではフロートが浮き沈みしています

フロート式液面計のメリットと特長

シンプルな構造で安全に液面を確認しやすい

フロート式液面計の大きな魅力は、液面に浮くという自然な動きを利用するため、原理が直感的で扱いやすいことです。現場担当者が目視で状態を把握しやすく、異常時にも原因を切り分けやすい傾向があります。

また、ガラス式のように液体を直接見せる方式と比べて、マグネット式フロート式のように外部から液面を確認しやすいケースもあります。

設備の基本監視を堅実に行いたい現場では、この「わかりやすさ」と「扱いやすさ」が大きな価値になります。

水、薬液、オイルなど各種液で使いやすい

フロート式液面計は、液面が明確で液体の導電率や誘電率などの電気的特性に依存しにくい製品が多いメリットもあります。そのため、水だけでなく、溶剤やオイルなど、幅広い液体に対して安定的に動作します。

樹脂製フロートやステンレス製フロートなど材質の選択肢も多く、適切な材質を選べば腐食性液体にも対応できるため、基本条件が合えば非常に実用的な方式です。

ラインナップが広く用途に合わせやすい

フロート式液面計は、単純な目視確認用だけでなく、多点検知、連続出力、防爆対応、耐食仕様まで幅広い製品が存在します。

そのため、受水槽、薬液タンク、オイルタンク、排水槽、工程槽など、用途に応じて必要十分な仕様を選びやすいのが強みです。

フロート式液面計のデメリットと注意点

高温・泡立ち・汚れやすい環境では他のレベル計が有利

フロート式液面計は扱いやすい一方で、どんな液体や環境にも万能というわけではありません。

例えば、高圧・高温環境では、フロートやシール部への負荷が大きくなり、特殊仕様が必要になることがあります。また、粘度が高い液、泡立ちやすい液、スラリー、結晶化しやすい液では、フロートの動きが阻害されやすく、安定測定が難しくなることがあります。

まとめ

このページでは、フロート式液面計の仕組み、種類、メリットなどについて初心者の方や、設備担当者として基本を整理したい方に向けて解説しました。

液面計のなかで、最も簡単な仕組みで動くのはフロート式液面計です。中小型の枕タンク・縦型タンクではフロート式液面計がメインで利用されます。

ただし、マグネットがうまく回らない、フロートと表示の伝達部における破損なども発生するので、フロート式液面計が絶対に故障しないという訳では無いことに注意しましょう。

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